[ ICT ]
(2016/5/10 05:00)
(ブルームバーグ)米グーグルが基本ソフト(OS)「アンドロイド」の開発にプログラミング言語「Java(ジャバ)」のコードを許諾なしで使用したことで著作権を侵害されたとして、米オラクルが同社を相手取り93億ドル(約1兆円)の損害賠償を求めている訴訟で、両社は再び陪審裁判に臨む。
判事が著作権訴訟の「ワールドシリーズ」と評した前回裁判は4年前に足踏み状態に陥り、グーグルの「アンドロイド」は無傷のままとなっている。判事は当時、最終的に「勝者は1社だけ」となり得ると述べており、オラクルが勝てばグーグルは世界の携帯端末の8割に使われるOSについて使用料を支払う必要が生じる。ソフトウエアの保護や使用許諾の方法を大きく変える可能性がある。
サンフランシスコの連邦地裁で9日始まった裁判の主な争点は前回と同じで、グーグルがアンドロイド開発でジャバの一部を使用許諾なしに利用したことが不正に当たるかどうかだ。オラクルは金銭的な損害賠償だけでは失ったものを埋め合わせられないと主張し、グーグルの著作権侵害に終止符を打つための裁判所命令を求めている。
2012年の裁判で証言した人物の一部が、今回の裁判でも証人となる見通しで、オラクル側からは創業者のラリー・エリソン氏とサフラ・カッツ共同最高経営責任者(CEO)、グーグル側からは現在の親会社アルファベットのラリー・ペイジCEOとエリック・シュミット会長が含まれる。
陪審は女性8人と男性2人で9日に宣誓就任しており、10日に口頭弁論が予定されている。
グーグルがアンドロイド開発にジャバの37件のアプリケーションプログラミングインタフェース(API)を利用したことが「公正使用」に当たるかどうかが焦点となる。12年の陪審裁判ではグーグルがオラクルの著作権を侵害したと結論付けられたが、この利用が「公正使用の理論」の下で正当化されるかどうかをめぐって陪審は暗礁に乗り上げた。陪審は今回の裁判でも、オラクルの許諾なしでの使用が許されるかどうかを判断するよう求められることになる。
(2016/5/10 05:00)