英のＥＵ離脱／日本企業、欧戦略見直し−情勢見極め拡大路線を再検討

英国の欧州連合（ＥＵ）離脱選択を受けて、世界経済は先行き不透明な時代に突入した。離脱選択直後の世界の株式市場は同時安に陥り、各国の企業は英国や欧州における経済活動の見直しに動く。ＥＵと英国は離脱後の包括的な経済・貿易協定を結ぶ検討に入るが、順調に交渉が進むかは未知数だ。世界経済はしばらく混乱が予想される。

【工場、競争力に危機感】

世界の国内総生産（ＧＤＰ）に占める英国の割合は４％程度。「貿易縮小を通じた世界や日本の景気への影響は限定的」（野村証券）とされるが、離脱選択は、２００８年のリーマン・ショック級の危機となるという見方も根強い。

日本の経済界はＥＵ諸国に離脱のドミノが広がることや各国の内向き志向に拍車がかかることを強く懸念する。１７年の仏大統領選など欧州情勢も見極めながら各社は欧州戦略の練り直しを余儀なくされそうだ。

欧州情勢が事業に大きく影響を与えるのが日本板硝子。０...