- トップ
- エレクトロニクスニュース
- 記事詳細
[ エレクトロニクス ]
(2016/7/7 05:00)
キヤノンは一眼レフカメラなどレンズ交換式カメラの増産に向け、国内のデジタルカメラ全3工場を近くフル稼働する。デジタルカメラ市場は4月の熊本地震で主要サプライヤーが被災し、世界的に供給が不足する懸念がある。キヤノンもコンパクトカメラの生産に影響を受けるが、代わりに基幹部品を自社生産するレンズ交換式カメラの生産を増やし、カメラの販売機会ロスを減らす。
キヤノンの2016年のカメラ販売は、地震の影響を織り込まずに前年比15・5%減の1020万台を計画する。このうちレンズ交換式は全体の約半分を占める。
市場全体でもコンパクトタイプに比べ、レンズ交換式が持ち直す傾向にある。同社は増産で「(震災の影響による)市場縮小を避けたい」(戸倉剛執行役員)としている。
増産するのはデジタル一眼レフカメラやミラーレスカメラといったレンズ交換式カメラ。同カメラのマザー拠点の大分キヤノン(大分県国東市)はすでにフル生産に入った。順次、コンパクトカメラ生産のマザー拠点である長崎キヤノン(長崎県波佐見町)と宮崎ダイシンキヤノン(宮崎県木城町)も、部品の調達状況をみて順次フル生産に引き上げる。台湾の生産拠点も活用する。
デジタルカメラ各社の多くは、ソニーからイメージセンサーの供給を受けている。熊本地震によってソニーの生産拠点が被災し、一時生産を停止した影響はまだ残っており、世界的にカメラの供給不足が予想される。
キヤノンでは「コンパクトの世界市場は2割程度の影響を受けるのではないか」(同)とみており、レンズ交換式のカメラの増産を急ぐ。
(2016/7/7 05:00)