[ 科学技術・大学 ]

理研、深層学習特化型スパコン導入−PC用プログラムもそのまま動作

(2016/12/29 05:00)

  • 理研AIPセンターが入居する日本橋一丁目三井ビルディング(三井不動産提供)

理化学研究所の革新知能統合研究センター(AIPセンター)は、ディープラーニング(深層学習)に特化したスパコンを導入する。計算能力は4ペタフロップス(ペタは1000兆、フロップスは浮動小数点の半精度演算性能)で理研のスパコン「京(けい)」の約4分の1に相当。投資額は6億―10億円とみられる。研究者考案のプログラムを、市販PC用からスパコン用に修正する手間を省くなど、使い勝手に優れる。2016年度内にも稼働する。

米NVIDIA(エヌビディア)のディープラーニングシステム「DGX―1」を24台導入する予定。DGX―1が1台で従来のサーバー250台分に相当するという。全体の性能は16ビット演算で4ペタフロップス。ディープラーニングは、32ビットと同等の結果を16ビットで得られるという。

スパコンは富士通エフ・アイ・ピー(東京都港区)の横浜データセンター内に設置する。AIPセンターに所属する全国の研究者がネットワーク経由で利用できる。100人以上の研究者が共用することになる。

研究者にとっては、普段使用しているPCで動くプログラムをそのままスパコンで試せる。分散処理などスパコン用のプログラムを書く必要がない。AI研究では動画のディープラーニングなど、データ量や計算量の大きい研究に注目が集まる。

国際競争に遅れないためにも、計算資源などの環境整備が求められていた。

(2016/12/29 05:00)

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