[ 政治・経済 ]
(2017/3/17 10:00)
【ワシントン時事】ワシントンを訪問した世耕弘成経済産業相は16日、トランプ米政権の経済閣僚と相次いで会談した。世耕氏は会談後に記者会見し、ロス商務長官とペリー・エネルギー長官がともに「東芝の財政的安定性は米国にとって非常に重要」と表明し、子会社を通じて米国で原発建設を進めている東芝の経営問題に強い懸念を示したと明らかにした。
東芝は巨額損失の原因である米子会社ウェスチングハウス(WH)を売却し、海外原発事業から撤退することを目指しているが、WHが米国で担う原発建設に悪影響が出るような場合には、日米間の政治問題に発展する恐れが出てきた。
世耕氏はコーン国家経済会議委員長、ロス、ペリー両長官と個別に会談した。両長官は「米国で原発を建設しているWHの親会社である東芝の財政的安定性は、米国にとって非常に重要だ」と指摘。これに対し世耕氏は東芝の経営問題に対する日本政府の見解を説明し、日米間で東芝問題について情報を共有することで一致した。
世耕氏はロス氏と通商政策についても意見交換。世耕氏は、トランプ大統領が離脱を決めた環太平洋連携協定(TPP)が持つ経済的・地域戦略的意義や、中国も加わる東アジア地域包括的経済連携(RCEP)の交渉状況を説明した。トランプ政権が重視する日米2国間の貿易交渉についても議論したが、世耕氏は詳細を明らかにしなかった。
(2017/3/17 10:00)