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[ 中小・ベンチャー ]
(2017/3/25 13:30)
米サンフランシスコで24日(現地時間)に開催された「第1回スタートアップワールドカップ(W杯)決勝大会」で、日本のユニファ(名古屋市中区)が見事優勝し、投資賞金の100万ドルを獲得した。同社の土岐泰之社長は日刊工業新聞の取材に対し、「本当に驚いた。これをきっかけに、サービスを世界に拡大させることに挑んでいきたい」と興奮気味に語った。
このイベントは米シリコンバレーを本拠地とするフェノックス・ベンチャーキャピタル(VC)が主催し、世界12カ国での予選を勝ち抜いた15社が参加。各社が英語で行う5分間のプレゼンテーションに対して、シリコンバレーのVCらで構成された7人の審査員が鋭い質問を浴びせつつ、ビジネスモデルの優秀さを評価する。
審査員ではないものの、大会主催者であるフェノックスVCのアニス・ウッザマンCEOは、ユニファが優勝した理由について「ビジネスモデルのユニークさを審査員が高く評価したようだ」と説明。「スマートシティーをはじめ、IoT(モノのインターネット)のビジネスモデルはけっこうあるが、『スマート保育園』というのはほかにない。子供専用にソフトウエアを作り込んでいることもユニークと受け止められたのではないか」と話す。
ユニファが保育園向けに提供するIoTサービスは、カメラやセンサー、コミュニケーションロボットなどを使い、離れた場所にいる親が保育園に預けた子供の様子をスマートフォンで見たりできる。そのほか、睡眠・健康状態の自動モニタリングや、記録作業まで自動化できることから、人手不足で負担が増している保育士の業務支援にも役立つ。
土岐社長は「日本の保育園の問題をテーマにしたので、日本だけの話と思われるのではと心配していた。それがグローバルなマーケット、競争の中で評価してもらえた」と喜びをかめ締める一方で、賞金の100万ドルの用途については、「商品に磨きをかけるための開発や海外展開に使っていけるといい」。ウッザマン氏も「実は米国でもこうした保育向けのニーズがあるので、ビジネス展開できるだろう」と、今後のユニファの国際展開に期待を示した。
(2017/3/25 13:30)