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[ エレクトロニクス ]
(2017/4/7 12:30)
【ワシントン時事】米政府機関の国際貿易委員会(ITC)は6日、経営再建中の東芝が製造する記憶用半導体フラッシュメモリーが台湾半導体メーカー、マクロニクスの特許を侵害している可能性があるとして調査を始めると発表した。特許侵害が認定されれば、東芝は米国内での販売が困難になり、検討中の半導体事業の売却に影響する可能性がある。
調査は東芝本社と米国、フィリピンの子会社など5社が対象。マクロニクスは3月、東芝のフラッシュメモリーが特許を侵害し、不当に米国で販売されているとして、米政府に輸入差し止めなどの是正措置を求めていた。ITCは訴えを受け、関税法337条(不当輸入禁止)に基づく調査を決定した。
フラッシュメモリーはコンピューターやスマートフォンに使われ、東芝の収益を支える主力製品。東芝は米原発子会社の経営破綻により、2017年3月期末に債務超過に陥るため、半導体事業を売却し、今期中に債務超過を解消したい考え。しかし、ITC調査の進展次第では、売却手続きの長期化や評価額の下落を招きかねない。
ITCは調査終了日について45日以内に設定する。調査で是正措置を決めた場合、米通商代表部(USTR)が棄却しなければ60日以内に確定する。
東芝は「調査に対し、真摯(しんし)に対応していく」(広報・IR部)とコメントした。
(2017/4/7 12:30)