(2023/1/9 05:00)
新成人のみなさんへ還暦をとうに過ぎた筆者から小言をいわせてほしい。脅かすつもりはないけれど、みなさんが生きる時代は人類の分岐点になるだろう。
一つは地球温暖化だ。グリーン社会の実現へ産業構造を大転換し、是が非でも温暖化に歯止めをかけなければ手遅れになる。脱炭素化にどれだけ貢献できるかで国や企業の優劣が決まる時代になる。
平和を脅かす動きには冷静にノーと言える自分でいよう。人類は二度も世界大戦を経験しながら軍拡競争を再び勢いづかせている。戦争は大抵「自衛のため」という理屈で始まるから注意が要る。
身近なことでは数人でいいから何でも話せる仲間をつくっておこう。若い時に知己を得ることは生涯の宝物になる。筆者は今でも旧友の一言に救われることがある。
2023年は9日が「成人の日」。埼玉県蕨町(当時)は終戦直後の1946年11月、青年団が全国に先駆け「成年式」を挙行した。食糧難の時代、新成人にはお汁粉が振る舞われた。48年に祝日として成人の日が制定されると全国に広まった。みなさんが壁にぶつかった時は戦火の中を生き延び、お汁粉がハレの日のごちそうだった先輩たちのことを想像してみるといい。
(2023/1/9 05:00)