産業春秋/「デフレ脱却宣言」お預け

(2023/12/6 05:00)

政府による「デフレ脱却宣言」はしばらく保留のようだ。7―9月期の需給ギャップが再びマイナスに転じ、内需の弱さが改めて示された。実質賃金の減少が続き、家計の節約志向が個人消費を抑える実態が宣言を遠ざける。

内閣府によると、7―9月期の需給ギャップはマイナス0・5%で、年換算では3兆円程度の需要不足。4―6月はプラス0・2%と15四半期ぶりのプラスで、1兆円程度の需要超過だった。需要喚起の総合経済対策は不要との論調もメディアにあったが、直近のデータは需要不足だ。

厚生労働省によると、9月の実質賃金は前年同月比2・9%減と18カ月連続で目減りした。賃上げが物価上昇になかなか追い付かないが、改善傾向の指標もある。

総務省が5日発表した11月の東京都区部の消費者物価指数(生鮮食品を除く)は同2・3%上昇と、2カ月ぶりに伸びが鈍化した。電気・ガス料金が低下した影響が大きい。

1年前の2022年11月の東京都区部の消費者物価指数は同3・6%の上昇で、この1年で上昇率はかなり低下した。だが喜んでいいものか。このまま物価が下落傾向となれば24年春闘の賃上げ率も抑えられるとのエコノミストの指摘も。少し気になる。

(2023/12/6 05:00)

総合1のニュース一覧

おすすめコンテンツ

今日からモノ知りシリーズ トコトンやさしい空気圧の本

今日からモノ知りシリーズ トコトンやさしい空気圧の本

技術士第一次試験「機械部門」専門科目過去問題 解答と解説 第9版

技術士第一次試験「機械部門」専門科目過去問題 解答と解説 第9版

誰も教えてくれない製造業DX成功の秘訣

誰も教えてくれない製造業DX成功の秘訣

電験三種 合格への厳選100問 第3版

電験三種 合格への厳選100問 第3版

NCプログラムの基礎〜マシニングセンタ編 上巻

NCプログラムの基礎〜マシニングセンタ編 上巻

金属加工シリーズ 研削加工の基礎 上巻

金属加工シリーズ 研削加工の基礎 上巻

Journagram→ Journagramとは

ご存知ですか?記事のご利用について

カレンダーから探す

閲覧ランキング
  • 今日
  • 今週

ソーシャルメディア

電子版からのお知らせ

日刊工業新聞社トピックス

セミナースケジュール

イベントスケジュール

もっと見る

PR

おすすめの本・雑誌・DVD

ニュースイッチ

企業リリース Powered by PR TIMES

大規模自然災害時の臨時ID発行はこちら

日刊工業新聞社関連サイト・サービス

マイクリップ機能は会員限定サービスです。

有料購読会員は最大300件の記事を保存することができます。

ログイン