[ その他 ]
(2016/2/10 05:00)
ある大学教授いわく、台湾人はどこか京都人に似ている。表向きは親切でもてなし上手だが、心の内はなかなか明かさない。ところが一度、心を許すと怒濤(どとう)のように本音を語り出す▼この説の当否はともかく、一般に台湾人と日本人の相性はいい。東日本大震災で台湾から多くの寄付が寄せられたことは記憶に新しいが、6日発生した台湾南部の地震では「今度は日本の番」と各地から支援申し出があるという▼日台間の企業連携も増えている。台湾の経済産業省に相当する経済部の「台日産業連携推進オフィス」によると、連携事例は2012年3月から15年11月までで1531件。目標は16年までに500件だったというから、その3倍になる▼人の往来も活発だ。人口2300万人の台湾で、15年だけで367万人が日本を訪れた。7人に1人以上の高い比率になる。今年はさらに増加するだろう▼いま最も注目される台湾人、鴻海(ホンハイ)精密工業の郭台銘董事長(会長)も訪日客のひとり。経営難に陥ったシャープに巨額の支援を提示し、月内にも決着を目指す。仮に台湾人が京都人に似ているとして、大阪人のシャープ経営陣と本音で話ができたろうか。結果は遠からず明らかになる。
(2016/2/10 05:00)