[ その他 ]
(2016/3/28 05:00)
工業都市・北九州市には、さまざまな分野で日本一を誇る企業がある。産業用ロボットの安川電機や衛生陶器のTOTO、地図のゼンリンが有名だ▼航空会社のスターフライヤーも、2015年度まで7年連続顧客満足度日本一を継続している。就航から10年という新参者だが、侮れない。あえて数を減らして座席間隔を広く取った機内など充実したサービスが人気。24時間発着可能な北九州空港をハブとし、深夜早朝便が利用できる点も評価が高い▼その北九州空港も同じ開業10周年を迎えたが、振るわない。15年の乗降客数は131万人で、同県内の福岡空港の2097万人と大差がある。北九州は洋上空港だけにアクセスが悪く、これが足かせになっている▼14年に韓国・釜山線から撤退以降、国際定期便が就航していない点も、24時間空港の利点を生かしきれていない。ただ福岡が混雑空港の指定を受け、増便や格安航空会社の誘致が難しくなった今は、北九州市とスターフライヤーにとってチャンスだ▼米国のライト兄弟による人類初の動力飛行機が「フライヤー号」。その名にちなみ、初飛行から100年目に創業した新たな翼には、北九州の再興という地元の夢も一緒に乗っている。
(2016/3/28 05:00)