[ オピニオン ]
(2016/7/25 05:00)
政府は週内にも、景気の腰折れ回避に向けた大型経済対策をまとめる。短期的な内需拡大にとどまらず、成長に資する“タネ”に大胆に投資する「未来への投資」を打ち出す方針。“急がば回れ”の経済対策が景気浮揚の一歩となることを期待したい。さらに景気対策の財源となる2016年度第2次補正予算と17年度当初予算を切れ目なく一体で編成・執行することで、政策効果をさらに高める工夫が求められる。
停滞する個人消費を喚起する特効薬は見当たらない。政府は経済対策に雇用保険料の引き下げやプレミアム(特典)付き商品券・旅行券の発行などを盛り込む見通しだが、足元の消費喚起策としては小粒で、大きな効果は期待できない。
一方で保育・介護支援、給付型奨学金の創設、長時間労働の是正、同一労働同一賃金の実現といった中長期にわたる働き方改革を経済対策の柱の一つとする点は評価できる。賃上げと労働人口の増加につながる「働き方改革」は中長期の視点で推し進める必要がある。小手先の消費喚起策から踏み出さなければ「経済の好循環」はいつまでも回り始めない。
その意味で、現行25年間の年金受給資格期間を17年度から10年間に短縮する施策は、所得の将来不安の解消につながり、消費を促す効果が期待される。
また政府は経済対策に「21世紀型のインフラ整備」も盛り込む考え。訪日外国人旅行者の拡大や農産物輸出促進に向けた拠点整備に加え、リニア中央新幹線の計画前倒し(45年に予定する東京―大阪の全線開業を最大8年前倒し)などが目玉となる。費用対効果を見極めつつ、未来の成長に資する投資を加速していきたい。
問題は財源だ。対策の規模は事業費20兆円が視野に入ったが、15年度の決算剰余金は2544億円にとどまる。財政投融資を活用しても4年ぶりの追加国債発行は避けられない。税収に過度に依存する現行の成長シナリオを改め、歳出改革にも踏み込む経済財政運営への変換が政権に求められる。
(2016/7/25 05:00)
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