[ ICT ]
(2016/7/28 05:00)
(ブルームバーグ)ソーシャル・ネットワーク・サービス (SNS)最大手、米フェイスブックの4-6月(第2四半期)決算では、売上高が市場予想を上回った。画像共有サービスを手掛ける傘下のインスタグラムや動画を通じた広告販売が好調だった。
27日の発表資料によれば、売上高は前年同期比59%増の64億4000万ドル(約6780億円)。ブルームバーグがまとめたアナリスト予想の平均は60億1000万ドルだった。一部項目を除いた1株利益も97セントと、アナリスト予想の平均(82セント)を上回った。純利益は20億6000万ドル(1株当たり71セント)。前年同期は7億1900万ドル(同25セント)だった。
4-6月期の月間アクティブユーザー数(MAU)は17億10000万人と、前四半期の16億5000万人から増加した。日次アクティブユーザー数(DAU)も11億3000万人に増えた。広告収入のうちモバイル機器向けが84%を占めた。モバイルのMAUは前年同期比20%増の15億7000万人。
同社の株価は米株式市場の時間外取引で一時7%余り上昇。通常取引終値は1.8%高の123.34ドル。年初来では18%上げている。
モバイル広告販売の伸びにより、フェイスブックには他の部門の収益改善に注力する余裕が生じた。同社は世界最大のSNSを運営する会社から、フェイスブックやワッツアップ、メッセンジャー、インスタグラムといった人気モバイルアプリを保有する企業へと成長を遂げた。各アプリのユーザー数は5億人のインスタグラムを除けば全て10億人を上回っている。同社はまだメッセンジャーやワッツアップの収益化に取り組んでいないことから、モバイル広告市場における同社のシェアは拡大余地がある。
安定した広告収入のおかげで、ザッカーバーグ最高経営責任者(CEO)は自身の志す仮想現実(VR)や人工知能など当分利益が見込めない最先端事業への投資拡大も可能になっている。同CEOは長期プロジェクトへの投資を自身で決められるよう、最近フェイスブックの株式構造を変更し、保有株の一部を売却したとしても同CEOが過半数議決権を持つようにした。
シェリル・サンドバーグ最高執行責任者(COO)は同社はインスタグラムの売上高の詳細をまだ分析していないものの、4-6月期に「インスタグラムが大きく貢献」したことは間違いないと述べた。またメッセンジャーでの会話から利益を得るビジネスの小規模の試験を始めたものの、まだメッセンジャーを収益化する時期ではないと説明した。
フェイスブックは4ー6月期末時点の現金および現金同等物保有は233億ドルだと明らかにした。設備投資は9億9500万ドルと、前年同期の5億4900万ドルから増えた。
原題: Facebook Revenue, Users Top Estimates as Mobile Ads Surge (1)(抜粋)
(2016/7/28 05:00)