[ オピニオン ]
(2016/8/2 05:00)
小中学校は夏休みまっさかり。建設業界は全国15カ所で、女子小中学生と保護者を対象に工事現場の見学会を実施している。マンションや学校、港湾、鉄道、橋などさまざまだ。
女子が対象なのは、業界で活躍する女性が極めて少ないことが理由。日本建設業連合会によると、女性の建設技能者は8万人。男女比で2・4%にすぎない。業界は2025年度までに、女性の新規入職者として20万人確保を目標に掲げる。
見学会では見る機会の少ない建設現場だけでなく、そこで生き生きと働く“けんせつ小町”を知ってもらう。「親御さんにも来てもらうのがポイント」(大手建設会社)という。
建設現場は危険・汚い・きつい―の3K職場のイメージがつきまとう。だが女性専用更衣室やトイレを整備した現場を見れば印象は変わる。鉄筋の結束や左官工事なども体験できるとあって、全てが定員に達した。
現場にはさまざまな創意工夫があって面白い。建設会社はこれまで、その魅力を十分に伝えて来なかった。女性が当たり前に活躍できるようになるだけでもイノベーションだ。東京都知事に小池百合子元防衛相が当選し、初めて女性にバトンが渡る。建設業界も変革のチャンスを逃してはいけない。
(2016/8/2 05:00)