[ 政治・経済 ]
(2016/8/8 05:00)
(ブルームバーグ)アジアから欧州に延びる古代の通商ルートを復活させようという中国の野心的プロジェクトは、第2次世界大戦後の欧州復興計画「マーシャル・プラン」や欧州連合(EU)拡大よりも大規模な経済遺産となる可能性があるとの新たな分析が示された。
ユーライゾンSLJキャピタルのスティーブン・ ジェン最高経営責任者(CEO)は、中国が進める「一帯一路」と呼ばれる陸と海の新シルクロード構想について、米国とEUで政治的不確実性が強まる中、中国は経済的繁栄を広げることでそのソフトパワー面の地位を強化することになると指摘。同構想の評価額を1兆4000億ドル(約143兆円)と試算した。中国は同構想に基づき、鉄道や幹線道路、港湾などを整備する。
シルクロード構想は64カ国の人口44億人、世界経済の約40%に関わる潜在力を秘める。国際通貨基金(IMF)エコノミストを務めていたジェンCEOは、同構想がドルの絶対価値で見てマーシャル・プランの12倍に上るとの推計を示した。中国は同構想に国内総生産(GDP)の最大9%を投じる可能性があり、これは米国がマーシャル・プランに資金を投じた際の比率の約2倍だ。
同CEOは「一帯一路プロジェクトはその規模においてマーシャル・プランやEU拡大より数倍大きく、より野心的な可能性がある」と指摘した。
原題: China’s $1.4 Trillion Silk Road Is Bigger than the Marshall Plan(抜粋)
(2016/8/8 05:00)