[ オピニオン ]
(2016/8/19 05:00)
バイクと無縁そうな男性もちらほら。7月末に熱戦が繰り広げられた鈴鹿8時間耐久レースのファンブースはアニメ番組『ばくおん!!』の人気声優によるトークショーで盛り上がっていた。
女子高校生がバイク部で免許を取得、ツーリングを楽しむマンガが原作。売れ筋の「女子高生プラスα」に加え、往年のマニアをもうならせる“それ、あるある”も満載で楽める。
作中では車種の好悪を過剰に表現した場面もあるが「ブラック要素も含めて、バイクに興味を持ってくれれば歓迎」とメーカーは寛容さをみせる。国内市場は1982年の328万台がピーク。だが、この年は高校生に「免許をとらせない、買わせない、運転させない」の“三ない運動”が起きた。
今や40万台に縮小した市場を支えるのは50―70代に高齢化した“リターンライダー”たち。バイクを買う「カネない」、スマートフォンに夢中で「必要ない」、駐車場不足で「場所ない」の新“三ない”世代に楽しさを訴求できなければ、将来は暗い。
8月19日は「バイクの日」。メーカーは転倒しにくい車種の開発や安全運転講習、ソーシャル・ネットワーキング・サービスとの連携など、あの手この手で若者の心をつかもうと躍起だ。
(2016/8/19 05:00)