[ 機械 ]
(2016/11/19 14:30)
「航空機向け2倍に伸長」JIMTOFでネルCEOが会見
精密研削機械の分野で27%の世界トップシェアを誇るスイスのユナイテッド・グラインディング・グループ(UGG)。同社のシュテファン・ネルCEOが18日、日本国際工作機械見本市(JIMTOF2016)の会場で記者会見を行い、「UGGは(グループ8社の)幅広いポートフォリオを持ち、必ず市場に合った機械を提供できる。日本市場では最近、ダイヤモンドなど高硬度の工具研削をレーザーで行う『レーザーライン』で成功しているので、JIMTOFの会場でぜひ見てほしい」と自信を示した。
ネルCEOは2016年の売り上げ見通しについて「前年と同等レベルで推移している」と具体的な数字は開示しなかったが、とくに航空機分野向けが「前年の2倍くらい大幅に伸びている」という。
一方で、「将来的に自動車向けは下がっていく」との見通しを示した。「代わりにマイクロツールやレーザーといった新技術を使った加工が増え、すべてがどんどん小型になっていく」とし、顧客の競争力向上を目的に、こうした新技術に対応した製品開発を進めていく方針を強調した。
同社は研削機械関係の8社とは別に、スイス連邦工科大学チューリヒ校と樹脂・金属の付加製造(AM)技術関連の共同出資会社IrpdAGを立ち上げており、3D積層技術による部品の受託製造にも乗り出している。
今回のJIMTOFでは、設置面積が小さく小物部品の製造に適したスチューダの円筒研削盤「S11」と、研削工具の付いた主軸と対抗するB5軸の旋回テーブルが回転することで、部品の円筒内面の曲面(R)部を滑らかに加工できるラジアス複合内面円筒研削盤「S131」を出展。
さらに、エワーグの「レーザーラインウルトラ」はパルス幅がピコ秒(ピコは1兆分の1)台の超短パルスレーザーを採用し、熱の影響を受けずに高速・高精度で材料を直接気化させて除去する「コールドアブレーション」を可能にする。同機種は日本の工具メーカー3社に4台が納入済みで、来月にはもう1台納入の予定という。
(2016/11/19 14:30)