[ オピニオン ]
(2017/3/23 05:00)
野球世界一を決めるワールド・ベースボール・クラシック(WBC)の準決勝で、日本チームは1点差で米国に惜敗した。決勝進出なら相手は前回大会で敗れたプエルトリコだった。2大会ぶり3度目の優勝には届かなかったが、健闘に拍手を送りたい。
ここまでの熱戦に、テレビの前でくぎ付けとなったファンは多かろう。意外にも試合を面白くしているのが、1次ラウンドで65球などの球数制限の存在だ。スコアとともに表示される球数に手に汗握り、継投策に思いを巡らす。
先発投手は完投して一人前。そんな考え方からすれば制限は邪道だ。“侍ジャパン”コーチの権藤博さんはプロ1年目に69試合登板。32完投で35勝を挙げ、投球回数は400回を超す。しかし「権藤権藤、雨、権藤」といわれるほどの連投で投手生命を縮め、通算82勝にとどまった。
昔日の大投手が今のように登板間隔や球数をきちんと管理されていれば、もっと勝ち星を積み上げられたはず。産業界では長時間労働が問題になっているが、戦力の酷使が長期的に割に合わないのは企業も同じことだ。
19日に始まった選抜高校野球では、球数が150球を大きく超えた先発投手が目立つ。ここにも“投げ方改革”が必要では…
(2017/3/23 05:00)