[ 政治・経済 ]
(2017/4/11 05:00)
厚生労働省の国立社会保障・人口問題研究所は10日、2065年までの日本の将来推計人口(用語参照)を公表した。15年に1億2709万人だった総人口は、53年に1億人を割る見通し。65年には8808万人に減り、65歳以上の高齢者が占める割合は、15年の26・6%から38・4%に上昇する。
1人の女性が生涯に産む子どもの数を示す「合計特殊出生率」は、30―40代女性の結婚や出産が上向いている近年の傾向を踏まえ、小幅ながら改善。60年に1・35とした前回推計(12年)に対し、65年に1・44になると見込んだ。
出生率の上昇で1億人割れの時期が前回推計より5年遅くなったものの、厳しい人口減と少子高齢化に歯止めがかかっていない現状が、改めて浮き彫りとなった。
推計人口は国勢調査の結果を基にほぼ5年ごとに見直し、年金や医療など社会保障制度の設計に関する基礎資料となる。同日開かれた社会保障審議会(厚労相の諮問機関)の人口部会に報告された。
15年の実績値と65年の推計値を年齢階層別に比べると、0―14歳の年少人口は1595万人(総人口の12・5%)から898万人(10・2%)に、15―64歳の生産年齢人口も7728万人(60・8%)から4529万人(51・4%)に減少する。
65年時点の高齢者人口は3381万人。15年とほぼ変わらないが、総人口に占める割合は大幅に上がった。ただ40%超だった前回推計に比べ、高齢化の進行度合いは緩やかになった。1人の高齢者を支える現役世代の数は、15年の2・3人から1・3人に減る。
平均寿命は男性84・95歳、女性91・35歳まで伸びると見込んでいる。
【用語】将来推計人口=厚生労働省の研究機関である国立社会保障・人口問題研究所が過去の実績値を基に、総人口や年齢構成、出生率について50年後までの推移を予測する統計。社会保障を中心にさまざまな人口減少対策の基礎資料となる。出生数、死亡数双方について最も現実性のある「中位推計」を一般的に採用。100年後までを見通した「長期参考推計」もあり、2115年時点で総人口5055万人を予測している。
(2017/4/11 05:00)
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