[ オピニオン ]
(2017/5/15 05:00)
仏米英独日伊加―。主要国首脳会議(G7サミット)の開催順だ。第1次石油危機後の1975年(昭50)にフランスが提唱して初開催。以後は輪番だが、当時の国際的な発言力の順といえる。第二次大戦の敗戦国が後ろになっている点は見逃せない。
第2回からメンバーになったカナダは順番でも最後。欧州主導を嫌った米国の意向で参加を認められたといわれる。その次に東西冷戦後の98年から加わったロシアは、クリミア問題で2014年に参加資格を停止された。
開催地を都市別にみると、最多はロンドンと東京の3回。フランスはランブイエ、ヴェルサイユ、ラ・デファンスとパリの周辺で3回。次いでドイツのボンが2回。他の国では同じ都市の例がない。
いずれにせよ43回のG7サミットの歴史の中で、日本の次は常にイタリアだ。昨年の伊勢志摩から、今年は地中海に浮かぶシチリア島のタオルミーナに首脳会議の舞台が移る。日程は下旬の26―27日。
国土の狭いイタリアが開催地を毎回、変えているのは、地域の独立性の強いお国柄のためだとか。地方都市の小さな会場の方が警備も容易で、首脳同士の親密さも増すだろう。5度目の参加となる安倍晋三首相に成果を期待したい。
(2017/5/15 05:00)