[ ICT ]
(2017/5/25 18:00)
【烏鎮(中国浙江省)時事】米グーグル社傘下の英ディープマインド社が開発した囲碁人工知能(AI)「アルファ碁」と、「世界最強」とされる中国の囲碁棋士、柯潔九段(19)による3番勝負の第2局が25日、中国浙江省の烏鎮で行われ、黒番のアルファ碁が危なげのない戦いぶりで中押し勝ちし、勝ち越しを決めた。最終局は27日に行われる。
柯九段は試合後、記者団に対し「中盤、勝つチャンスがあった。非常に緊張し、それがミスにつながった」と説明。「もっとゆっくり考えるべきだった」と振り返った。
初戦は、序盤から果敢に攻めた柯九段にアルファ碁が完璧に対応し、終始勝負をリードしたが、結果は半目の僅差だった。第2局もぎりぎりのせめぎ合いになるかと思われたが、アルファ碁は柯九段の激しい攻めを寄せ付けず、AIの圧倒的な強さを見せつける形で勝負を決めた。
アルファ碁は昨年3月、韓国のトップ棋士、イ・セドル九段(34)との5番勝負に4勝1敗で圧勝した。当時は「AIがトップ棋士に勝つにはまだ10年はかかる」とみられていたが、自ら学習を積み重ねる「ディープラーニング(深層学習)」技術によってトップ棋士を上回る驚異的な成長を見せ、世界を驚かせた。
3番勝負はグーグルが開いた「囲碁の未来サミット」の目玉。26日はアルファ碁の力を借りたプロ棋士同士が対戦する「ペア碁」や、アルファ碁がプロ棋士5人の連合軍と戦う「チーム碁」が行われる。
(2017/5/25 18:00)