[ 機械 ]
(2017/6/14 22:00)
金属素材を打撃・加圧することで、目的の形状を造る鍛造技術は、自動車や航空機部品、産業機械部品、充電関連などで欠かせない。鍛造部品に対する需要を拡大させ、今後も成長が見込める中心となるのがアジア地域。日本の鍛造関連設備も数多く、アジアで活躍している。
日本鍛造協会は鍛造加工業者の法人会員20社と、各地域ごとにある工業会および協同組合(7団体、127社)、鍛造関連企業からなる賛助会員70社で構成されている。鍛造は加工温度の領域により大きく冷間鍛造、温間鍛造、熱間鍛造に分類される。プレス機など鍛圧機械、加熱装置、金型、潤滑油などの技術要素が合わさって、複雑形状部品を高精度に量産する技術として使われる。
多くの部品加工が高度化する中、鍛造が優位性を発揮するには鍛造プレス機以外にもトータルの技術力向上が不可欠。ただ中小企業の多い会員組織の中では設備投資や人材確保は常に課題となる。こうした中で同協会が特に力を入れるのが人材育成関連事業。各会員企業の講師陣などがそろう「鍛造マネージャー育成塾コース」はじめさまざまな技術講座を用意している。
2016年9月からスタートしたのは通信教育をメーンとした「金属熱処理通信講座」。日本金属熱処理工業会の協力を得てプログラムを作成した。製品が要求する強さ、硬さ、耐摩耗性、耐食性などを向上させる熱処理技術は鍛造業だけでなく多くのモノづくり関係者にとって重要な技術だが、専門でなければ理解が難しい。
同講座では添削指導による解説とともに現場研修なども組み合わせた。当初15人の募集だったが、好評で40人の応募があったという。「今後も設備保全系の講座を検討している」(日本鍛造協会事務局)など、細かなニーズを拾い上げ現場に役立つ講座を充実させる方針だ。
(2016年11月4日 日刊工業新聞 掲載「ASIAFORGE Meeting」特集より一部抜粋)
(2017/6/14 22:00)