[ ICT ]
(2017/7/2 14:00)
(ブルームバーグ)テニスの4大大会の3戦目ウィンブルドン選手権が3日に開幕する。会場となるロンドン郊外のオールイングランド・クラブでは、米IBMの人工知能(AI)プラットフォーム「ワトソン」が使われ、観客を最もエキサイティングな試合が行われているコートへと導くほか、試合の見どころを自動的に動画でまとめるのに活用される。
往年の英テニスプレーヤー、フレッド・ペリーにちなんで命名された音声デジタルアシスタントの「フレッド」が、会場内での観客の移動を手助けする。イチゴを売っている最寄りのスタンドへの道順や記念品の買い方、センターコートで誰がプレーしているかなどを尋ねることができるほか、子供たちの遊び場なども教えてくれる。フレッドにはワトソンの自然言語処理技術が使われている。
試合観戦を最もエキサイティングにしてくれる可能性が高いのは、選手たちのデータ分析を提供するIBMの別の機能だろう。IBMとオールイングランド・クラブが共同開発し27日公表した新しい評価基準「コンペティティブ・マージン」は対戦する選手たちの凡ミスとウィナーの確率の差異を示す。この差異が小さいほど試合は接戦となる公算が大きい。
業績低迷が続くIBMにとって、ワトソンを含むコグニティブ・ビジネス・ソリューション部門は明るい材料で、長期的な成長の原動力になると期待されている。1990年以来ウィンブルドン選手権のスポンサーであるIBMは、ここ数年ワトソンの新しい利用方法を会場で試してきた。
(2017/7/2 14:00)