[ 機械 ]
(2017/7/4 05:00)
山田ドビー副社長・白井国康氏−ＩｏＴ意識システムで
―出展テーマは。
「製品を出展するのではないと社内で訴えている。ＩｏＴ（モノのインターネット）を意識し、周辺機器を含めたシステムを提案する。製品の稼働データを収集・分析し、故障時期を事前に予想する取り組みを今後本格化させる。人工知能（ＡＩ）の活用も視野に入れている。そうした当社が目指す方向性を提示したい」
―具体的には。
「プレス機の金型内の荷重や温度を測定し、結果をグラフで表示するシステムを実演する。いわば金型の“見える化”だ。金型内の変化を知りたい顧客は多いはず」
―電気自動車（ＥＶ）の電池やモーター向けプレス機が好調です。出展製品の特徴は。
「ＥＶ用電池の一部品、防爆弁を作る１５０トンプレス機を出展する。需要が高まっているため、専用機を開発した。モーターの基幹部品のモーターコアを作る３０トンプレス機も出展する。厚さ０・２ミリメートルの板を何十枚も積層して仕様通りの厚さにするが、板のすき間の付着物など変動要因を考慮し、最適な枚数を積層できる」（名古屋・戸村智幸）
旭サナック社長・間宮幹雄氏−車載向け小型機種が目玉
―ワイヤ材を複数回プレスし、ネジやボルト、ギアを作る横型プレス機を手がけます。小型機種「ＳＦ５０」を出展する狙いは。
「自動車へのセンサーや電子部品の搭載が増えており、それらをプレス加工する用途でＳＦ５０の販売が伸びている。材料送り、切断など工程ごとに独自の機能があり、精度の高い加工が可能だ。増産対応のため追加で導入してくれる顧客もいる。自動運転の普及に向け、車載半導体はさらに増える。ＳＦ５０の需要がさらに高まると期待している」
―製品の保守サービスのデモンストレーションを実施します。
「保守サービス子会社が提供する予防保全の仕組みを伝える。デモでは具体的な状況を想定し、製品の故障をアラームで知らせる。海外の工場では、オペレーターの技能が高くないケースが多い。そうした場合にも、すぐにサポートできる」
―大型機種はスペースの都合上出展しませんが、販売状況は。
「自動車業界を中心に堅調だ。小型のＳＦ５０は国内の顧客が中心だが、大型は海外での販売も多い」（名古屋・戸村智幸）
コニック社長・大川雅子氏−金型の特注例を複数紹介
―足元の業績は。
「タレットパンチプレス用金型製造販売は微増が続いている。事業の両輪でもう一方の工作機械販売も国の補助金もあり、ここ数年順調だ。総じて業績は堅調に推移している」
―展示の目玉は。
「発注者と設計段階から相談をしながら製造した特注事例の金型を複数展示する。来場するほかの顧客の気付きにもつながり、新たに使ってもらえるようになればと考えている」
―機械販売戦略は。
「三菱電機製のレーザー加工機などを販売している。今年から新たに独トルンプ製パネルベンダーの日本販売総代理店にもなった。８月に大阪支店（大阪府東大阪市）の１階駐車場を改装して専用ショールームを開設し、販売に力を注ぐ」
―海外展開は。
「２０１２年にタイ工場を開設した。基礎固めができたので、周辺国のベトナムやインドネシアでの営業にも力を入れ始めている。タイを拠点に東南アジア、さらにインド、中東へも攻略を進めたい。海外勤務者はたくましくなるので人材育成にも役立っている」（岡山支局長・岡本信司）
パスカル プロダクトシニアマネージャー・平尾伊佐雄氏−段取り改善・安全を訴求
―生産現場の「段取り改善」「安全第一」が製品開発のテーマです。今回出展の目玉が二つあります。
「一つ目は、金型のメンテナンス時などに威力を発揮する『１８０度上型反転機』。従来、金型の反転作業は２本のクレーンを使っていたが危険性を伴っていた。新製品は永久磁石によるクランプで金型を反転させるシステムで、誰でも安全に簡単に作業できる」
―もう一つは。
「より安心・安全な金型交換装置『プリローラスタンド』だ。自動車業界で採用が進むハイテン材（高張力鋼板）の影響もあり、金型が大きく重くなっている。重量２―７トンの金型をスムーズに搬出入するためローラー直径を従来品の３８ミリメートルから８０ミリメートル、幅を２２ミリメートルから４７ミリメートルにした。中型プレス機に最適だ」
―出展を通じて訴求したいポイントは。
「少子高齢化の進む日本の製造現場で、労働災害の削減はもちろん、マグネットクランプに象徴される段取り改善と省エネ化を訴えたい。グローバル対応も含め、トータルな自動化を提案したい」（さいたま総局長・山中久仁昭）
(2017/7/4 05:00)
