[ オピニオン ]
(2017/8/3 05:00)
魚屋が繁盛している商店街は元気がよい。そう感じることはないだろうか。売り子の威勢のよいかけ声がアーケードに響くのは、商材の特性なのだという。
マーケティングの専門家が若い頃、精肉店と鮮魚店の違いをビジネスの視点として、たたき込まれたという。どちらも生鮮品を扱う店だが、顧客との接し方は異なるのだそうだ。
肉は塊のまま真空パックして冷凍し、少しずつ切り出して売ることが出来る。つまり精肉店は在庫を管理しながら、不特定多数の客を相手にするビジネスモデルが可能。アピールするのは新鮮さだけではない。
魚は冷凍を少しずつ売るのは難しく、地魚などは短期間で売り切らないと廃棄しなければならない。だから仕入れる時に常連の顔を思い浮かべる。想定していた見込み客が通りかかったら大きな声で「きょうはいいのが入ったよ」と呼びかける。客の顔が見える商店街だから可能なやり方だ。スーパーマーケットにない客との結びつきが商店街に活気をもたらす。
安倍晋三首相は3日に第3次改造内閣を発足させる。支持率低迷の打破には閣僚待望組の在庫を少しずつ出すより、政策の顔が見えるフレッシュな顔ぶれが望ましい。“魚屋型組閣”をお勧めしたい。
(2017/8/3 05:00)