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[ 化学・金属・繊維 ]
(2017/8/22 05:00)
炭素繊維強化プラスチック(CFRP)関係の特許出願で欧エアバスや独BMW、米ボーイングなど欧米の航空機、自動車メーカーの出願が増加していることが特許庁の「注目分野の特許出願技術動向調査」で明らかになった。世界的に環境規制が強まる中、車両の軽量化・燃費改善につながる部材としてCFRPは注目されており、航空機に続き、自動車用途が大きく伸びそうだ。
「注目分野の特許出願技術動向調査」は、国の政策として推進すべき技術分野などを特許情報を活用して調べたもの。結果を関係府省や産業界に発信し、政策や企業戦略に活用する。
出願動向としては日本からの出願が最も多く、日本が技術優位性を維持している。2005―14年の出願人別件数ランキングでは、前の10年間(95―04年)に続き東レが首位を維持したが、欧エアバスが5位から2位に浮上。6位に米ボーイング、8位に独BMW、9位に独ダイムラーが食い込んだ。
一方、同期間の日本勢では帝人が3位、トヨタ自動車が4位、三菱レイヨンが5位、三菱重工業が7位、積水化学工業が10位だったが、トップ10入りは95―04年の8社から6社に減った。
14年のCFRPの世界市場規模(金額ベース)は航空機用途が全体の約50%を占め、自動車は約8%にとどまる。
特許庁は「今後は自動車用途が大きく伸びてくる」と予測。スポーツカーや高級車にとどまらず、量産車への適用が進むことで、25年までには数量ベースで航空機用途を抜く公算が大きい。
特許庁は、日本の国際競争力の一段の強化に向けて「高い技術力を有する各企業が協調して原料、中間体、成形加工の製造工程全体にまたがる量産化システムを強化するべき」と提言しており、サプライチェーン全体での対応が求められそうだ。
(2017/8/22 05:00)
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