[ オピニオン ]
(2017/9/6 05:00)
私事だが、小さな家人が『ウルトラマン』に夢中になっている。夏祭りの縁日の屋台で買ったお面を、9月になっても大事に飾っている。
放送開始は1966年(昭41)。日本初のカラー特撮番組という栄誉は手塚治虫原作の『マグマ大使』に譲ったものの、ウルトラマンは最高視聴率42%を記録した。
今も幅広い世代に人気のシリーズ第2作『ウルトラセブン』は67年10月に始まった。今年は生誕50年で、さまざまな記念イベントが企画されている。最新作はセブンの息子が主役の1人とか。新作に伝統が受け継がれ、親から孫まで3世代を取り込む戦略に恐れ入る。
シリーズのファンは世界中に広がっている。7月には著作権を持つ円谷プロダクション(東京都渋谷区)に無許可でキャラクターを利用した映画を制作すると中国企業が発表し、物議を醸した。
モノづくりは製造業に限らない。コンテンツ産業も世界に誇る技術や作品を数多く持つ。米国で次々と生まれるメディアミックス作品の『トランスフォーマー』や『パワーレンジャー』も、実は日本のアニメーションや特撮番組がオリジナルだ。ワクワクするモノは世代も国境も越える。秋風が吹き始めても、家人の“スペシウム光線”は熱い。
(2017/9/6 05:00)