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[ エレクトロニクス ]
(2018/1/17 05:00)
富士電機は電気自動車(EV)向けパワー半導体の生産について、他社と共同出資会社を設立する検討に入った。需要変動に対するリスク分散が狙い。完成車メーカーや大手自動車部品メーカーに連携を呼びかけ、数百億円規模の投資を共同で実施する考え。2019年度をめどに提携相手を決め、20年度以降に生産を始める方針。EVに搭載するモーターの制御にはパワー半導体が不可欠で、世界で需要増が期待される。
EVの普及に応じて、パワー半導体の需要も膨らむ見通し。富士電機は需要動向をみながら他社との連携だけでなく、単独で投資する案も同時並行で検討する。
富士電機の17年度のパワー半導体事業の売上高見込みは約1000億円。これをEV向けを中心に伸ばし20年度に1300億円、23年度に1500億円に引き上げる計画で、18年度から増産投資を本格化する。
20年度の目標を達成するための設備投資は富士電機が単独で実施する計画。その後、23年度の売上高1500億円を目指すに当たり「他社との共同出資会社による投資を検討したい」(北澤通宏社長)としている。具体的には、富士電機が出資会社の株式の過半数を持ち、出資するパートナー企業に優先的に製品を供給するスキームを検討する。
EVの駆動系に搭載するパワー半導体は現時点では富士電機のほか、三菱電機、独インフィニオン・テクノロジーズが供給している。EVの普及が急拡大すれば「品不足になるリスクがある」(同)とみており、完成車メーカーや大手自動車部品メーカーに提携を呼びかける。
(2018/1/17 05:00)