[ オピニオン ]
(2018/2/2 05:00)
従業員の健康増進に取り組む「健康経営」を導入する企業が増えている。従業員の健康管理に目を配ることは、組織活性化や生産性向上につながり、メリットは非常に大きい。大企業のみならず、中小企業の導入拡大に期待したい。
経済産業省は健康経営を実践している企業を顕彰する「健康経営優良法人」を設けている。だが「何をどうやってよいのか分からない」と感じている経営者も多い。そこで自治体が健康経営の普及促進や認証制度を設け、企業の健康経営を後押しする動きが活発化している。
神奈川県は各企業に「健康管理最高責任者」(CHO)を設け、健康経営を促す「CHO構想」の普及に努める。健康経営に取り組む企業や団体の事業所を「CHO構想推進事業所」として、これまでに約140カ所を登録。認定証やステッカー、イメージロゴを配布し、企業のイメージ向上を後押しする。
横浜市も健康経営を実践する事業所を認定する「横浜健康経営認証制度」を始めた。2017年度は市内57事業所を認定した。取り組み内容に応じて3段階の認証区分を設定。最高ランクに認定されると、市の中小企業融資制度で金利優遇や保証料助成も受けられる。
実際に導入効果は大きい。沈下したコンクリート床を修復工事するアップコン(川崎市高津区)は、ボルダリングやフットサル、座禅などを月1回以上実施する。駅と会社間の歩きや階段の上り下り、さらにはマラソン大会参加や禁煙達成などを加点するポイント制度を採用し、楽しみながら健康活動に取り組んでもらうよう工夫している。
この結果、健康経営導入前に比べて、社員が病気で休んだ日数は7分の1以下に減少。逆に新卒採用は増えたという。昨年には経産省の健康経営優良法人に認定された。松藤展和社長は「社員の健康は会社の財産。トップが健康経営を理解し、参加することが必要だ」と話す。
健康経営は中小企業の活力維持・向上に効果がある。このことを、中小経営者はぜひ理解してほしい。
(2018/2/2 05:00)
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