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[ 科学技術・大学 ]
(2018/2/5 05:00)
ナックル歩行はチンパンジーとゴリラで独自に進化(京都大学提供)
大腿骨を比較、ナックル歩行仮説を覆す
人とチンパンジー、ゴリラなどの大腿(だいたい)骨の成長過程を比較したところ、手首を内側に曲げて指の背を地面に着けるゴリラなどの四足歩行(ナックル歩行)を経て人は二足歩行に至ったとする従来の説を否定する結果が得られたと、京都大が発表した。論文は、英科学誌サイエンティフィック・リポーツ電子版に掲載された。
京大とスイス・チューリヒ大の国際研究チームは、コンピューター断層撮影装置(CT)で、人とチンパンジー、ゴリラなどの大腿骨計313本を撮影。新生児から成長するまでの形状の変化を色に置き換え、平面的に表示する独自の手法で比較した。その結果、大腿骨の形成過程に共通点は見られず、それぞれ異なっていることが分かった。
人とチンパンジー、ゴリラは共通の祖先を持ち、人も二足歩行する前はチンパンジーやゴリラのようなナックル歩行をしていたとの説がある。
京大の森本直記助教(自然人類学)は大腿骨の分析を基に「人の二足歩行はナックル歩行からではなく、普通の四足歩行の類人猿から進化した」と説明。四足歩行の類人猿から人とチンパンジー、ゴリラにそれぞれ分かれたとの見方を示した。(時事)
(2018/2/5 05:00)