[ 自動車・輸送機 ]

【電子版】米KSS、タカタの事業取得を完了 寧波均勝電子やPAGも資金提供

(2018/4/12 11:30)

  • 創業家の高田重久会長兼社長が退任し、統合新会社の社長には野村洋一郎取締役が就任した(ブルームバーグ)

 米自動車部品メーカー、キー・セーフティー・システムズ(KSS)は12日、エアバッグの大量リコールで経営破綻したタカタの一部を除く全事業を総額15億8800万ドル(約1700億円)で譲り受ける取引を完了したと発表した。

 KSSの発表資料によると、事業譲渡にあたってはKSSの親会社の中国電子部品メーカー、寧波均勝電子や香港の投資ファンド香港の投資ファンドPAGも資金提供しそれぞれ筆頭、第二位株主となる。統合新会社の名称は「ジョイソン・セーフティ・システムズ」とし、本社は米ミシガン州に設置する。

 タカタも同内容の発表資料をウェブサイトで公表。4月11日付で創業家の高田重久会長兼社長が退任し、野村洋一郎取締役が新たに社長に就任したことを明らかにした。

 タカタの事業譲渡に関してKSSは、不具合があった硝酸アンモニウムを原料とするインフレータ(膨張装置)以外の全事業を取得することで最終合意していた。自動車産業でも最大級となったタカタのリコール問題はKSSへの事業譲渡完了で一つの区切りを迎えることになった。

 PAGは香港を拠点とするファンドで不動産や企業買収などさまざまな投資を手がける。昨年5月にタカタがスポンサーを募った際には米ベインキャピタルやKKRと並んで関心を示していた。PAGのウェブサイトによると、2002年の設立以来、300億ドル以上の投資を行ってきた。アジア主要都市の拠点に350人以上のスタッフを持ち、運用資産残高は200億ドルを超えるとしている。

 寧波均勝電子は昨年11月、買収に必要な資金を確保するため中国工商銀行やドイツ銀行から最大10億ドルの借り入れを行う方針を示した。それと同時に中国の国営投資会社を出資者として迎え入れ、さらに別の投資家を探すことを明らかにしていた。

 タカタ製エアバッグをめぐってはインフレータが異常破裂する不具合で米国を中心に死傷者が相次ぎ、同社は昨年6月に民事再生法の適用を申請した。11月にKSSと実質的にすべてのタカタの資産や事業を譲渡することを前提に最終合意。当初は今年3月末の取引完了を見込んでいたが延期となり、4月中旬までの実行を見込んでいた。(ブルームバーグ)

(2018/4/12 11:30)

おすすめコンテンツ

「現場のプロ」×「DXリーダー」を育てる 決定版 学び直しのカイゼン全書

「現場のプロ」×「DXリーダー」を育てる 決定版 学び直しのカイゼン全書

2025年度版 技術士第二次試験「建設部門」<必須科目>論文対策キーワード

2025年度版 技術士第二次試験「建設部門」<必須科目>論文対策キーワード

技術士第二次試験「総合技術監理部門」択一式問題150選&論文試験対策 第3版

技術士第二次試験「総合技術監理部門」択一式問題150選&論文試験対策 第3版

GD&T(幾何公差設計法)活用術

GD&T(幾何公差設計法)活用術

NCプログラムの基礎〜マシニングセンタ編 上巻

NCプログラムの基礎〜マシニングセンタ編 上巻

金属加工シリーズ 研削加工の基礎 上巻

金属加工シリーズ 研削加工の基礎 上巻

Journagram→ Journagramとは

ご存知ですか?記事のご利用について

カレンダーから探す

閲覧ランキング
  • 今日
  • 今週

ソーシャルメディア

電子版からのお知らせ

日刊工業新聞社トピックス

セミナースケジュール

イベントスケジュール

もっと見る

PR

おすすめの本・雑誌・DVD

ニュースイッチ

企業リリース Powered by PR TIMES

大規模自然災害時の臨時ID発行はこちら

日刊工業新聞社関連サイト・サービス

マイクリップ機能は会員限定サービスです。

有料購読会員は最大300件の記事を保存することができます。

ログイン