[ オピニオン ]
(2018/4/20 05:00)
関心の高さと相反して、多くの製造現場では今なお、ロボットやIoT(モノのインターネット)の導入に慎重な姿勢の企業も少なくない。システム構築を支援するシステムインテグレーター(SI)不足が背景にある。SIの育成に真剣に取り組みたい。
世界トップレベルの技術力を持つ一方、日本のモノづくりの生産性は決して高くない。幅広い産業分野、特に中堅・中小企業にロボット、IoT導入が広がれば、モノづくりの生産性向上に大きく寄与するとの期待が大きい。SIはモノづくりの競争力向上の担い手としての存在感が高まっている。
SIは多くの場合、ロボットなど複数のメーカーを束ね、導入する企業との間に入ってシステムを構築していく。特に中堅・中小企業に安価で、簡易なロボット、IoT活用を支援する高度な専門知識を持つSIの育成を急ぐ必要がある。
モノづくり産業が集積する名古屋市は、地域の官民学が連携しロボット、IoTの導入支援に乗り出した。名古屋工業大学に企業の相談窓口「なごやロボット・IoTセンター」を開設し、この一環として、今秋にもSI育成講座を設ける計画。
自動車産業を代表とする中部圏は「100年に一度の大変革」を迎え、将来に危機感を募らせている。同センターの開設は今後も、モノづくり産業が競争力を高め、発展を続けていくためにはSI、ICT企業の育成・集積が急務という判断に立っている。
講座では、ロボットSI、IoTSI、サイバーセキュリティー対策人材の育成を目指す。業界ニーズを取り入れたカリキュラム、テキストなどを作成し、地域が総力を挙げた取り組みになりそうだ。さらにモノづくりの中枢都市として、若者や女性らの産業人材の流出を抑制し、地方創生につなげるという将来像を描く。
モノづくり産業を支えている中堅・中小企業のロボット、IoT活用を支援することは、日本のモノづくり産業のもう一段の成長につながるはずだ。
(2018/4/20 05:00)
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