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[ 科学技術・大学 ]
(2018/5/27 07:00)
米マサチューセッツ工科大(MIT)などの研究チームは、カプセル内視鏡の技術を発展させ、胃潰瘍や胃がんなどによる出血をリアルタイムに検出できるカプセルを開発した。赤血球の成分に反応して光るよう遺伝子操作した無害な細菌を搭載したのが特徴。25日付の米科学誌サイエンスに発表した。
カプセルの長さは4センチメートル弱で、実用化には小さくする必要がある。検出対象の物質を変えることで、胃腸の難病の炎症や病原菌による感染症などの診断に使える可能性があるという。
病院で現在使われるカプセル内視鏡は、カプセルに超小型のカメラとライト、電池、電波送信装置を搭載。患者が口から飲むと、胃腸を進みながら動画を撮影し、体の外部に装着した記録装置に送る。使い捨てで、大便と一緒に排出される。
米研究チームはカメラを搭載する代わりに、遺伝子操作した細菌を収納する区画を四つ作製。外部とは半透膜で仕切り、赤血球成分の鉄を含む物質「ヘム」が区画内の細菌に届くようにした。細菌がヘムに反応すると光り、この光をセンサーで捉えて電波を送信する仕組み。ブタに飲ませる実験で実証し、受信とデータ記録はスマートフォンでできるという。(時事)
(2018/5/27 07:00)