[ 機械 ]
(2018/7/30 05:00)
【豊田自動織機/トヨタ電動フォークリフト「Rinovaシリーズ」後方ピラーで視野広げる】
豊田自動織機のリーチタイプの電動フォークリフト「リノバ」シリーズは、最量販のスタンダードモデルを軸に、全方向に走行可能なモデルや自動運転モデルなどを幅広くそろえる。約17年ぶりに「ジェネオR」を全面改良してモデル名をリノバに改め、分かれていたブランドを統一してシリーズ化した。eコマース(電子商取引)の拡大で小口配送や大型物流倉庫が増えており、きめ細かく顧客ニーズに応える。
設計でのポイントは拡張性。制御モジュールや油圧モジュール、走行モジュールなどを柔軟に組み合わせて、必要な機能を付けながら機種をつくり分ける仕様にした。豊田織機で産業車両を担うトヨタL&Fカンパニーの技術部NK室の大塚晴彦室長は「将来的なニーズも見据えて機能単位でまとめた」と説明する。改良やモデルの拡充がしやすいため、シリーズ展開で大きなメリットとなる。
「多くのお客さまが(複数モデルを)セットで使われる」。トヨタL&Fカンパニー営業統括部商品室商品第2グループの原田礼郎プロダクトマネージャーは、シリーズでリーチタイプの電動フォークリフトを展開する重要性を強調する。リノバシリーズではアクセルとフォークの上下降レバーの位置関係を統一し、どの機種でも違和感なく操作できるようにした。
デザインでは、前方に配置していたピラーの片方を後方ピラーに変更。運転時の視野を広げるとともに、後方ピラーが後退時に運転者の身体を守り、体勢を安定させる役割を担う。トヨタL&Fカンパニー製品企画部製品企画室デザイングループの薬師忠幸主担当員は「ピラーは(強固な)前方に配置する方が安定するが、後方ピラーにするためパイプ状にして設置箇所も少し前にずらした」という。
腕のはみ出しを防ぐひじ当ては3Dプリンターで試作を繰り返したほか、伝票作業がしやすいフラットな面を運転席に用意するなど作業者に寄り添った製品に仕上げている。(名古屋・今村博之)
(2018/7/30 05:00)