[ 機械 ]
(2018/7/31 05:00)
【アマダホールディングス/アマダマシンツール デジタル電動サーボプレス「SDE―2017 GORIKI」高剛性で金型寿命も向上】
「GORIKIはどこにあるの?」。アマダマシンツール(AMT、神奈川県伊勢原市)の横地勝美プレス部門プレス技術部副部長は、ショールームを訪れたユーザーにそう質問されることがある。GORIKIはAMTの新型プレス機械。ユーザーから指名されるほど覚えやすいGORIKIが「ネーミングの成功事例」(坂木雅治取締役)なのは疑いがない。
漢字では「剛力」。高剛性の開発コンセプトのまま、堅牢(けんろう)さ、力強さを想像させる。実は「WS」とする案もあったが、「芸がない」と田所雅彦社長に一蹴され、その後、堀江喜美雄プレス部門部門長がふと思いついたという。
GORIKIは、一つの金型で複数工程の加工を行う順送加工専用機だ。市場拡大中の車載電機部品向けを主に、従来比で生産性を約4割増とし、成形精度や金型寿命の向上も図れる。こうしたユーザーメリットの源となるのが剛性だ。
200トンもの力で成形するのだが、材料の左右両端の厚さ・材質にかかわらず、高剛性で均等にプレスできなければ、左右が同じ形状にならず、さらに余計な力がかかり金型寿命を縮める。
剛性アップには構造材料を厚くするなどの手があるが、費用がかかりすぎるために従来機を基本に、設計し直した。例えば、正面上部のプレートを中央部が高い山形にし、材料を通す両横の窓を従来の半分ほどの大きさに改良。途中、「開発着手から半年たったころにつまずき、一からやり直した」(原卓也プレス部門プレス技術部部長)という辛酸もなめた。結果、均等に力を加えようとする際の傾きを半減、機械の伸びを2割減に抑えた。
持ち株会社のアマダホールディングスは独自の意匠規定に基づき、製品に赤、黒、シルバーの塗装を施す。赤は情熱、黒は力強さ、シルバーは革新を意味する。GORIKIは、プレス機として初めてシルバーの配色を許された機械となった。
(編集委員・六笠友和)
(2018/7/31 05:00)
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