[ 人物 ]
(2018/8/27 05:00)
将来はSTB開発者に
「入社前からセットトップボックス(STB)の開発に関わる仕事がしたかったんです」―。ジュピターテレコム(JCOM)の中村智菜さん(28)は、ケーブルテレビ放送をテレビ視聴に適した信号へ変換する「STB」の動作検証を担う。「いつか自分でSTBを開発したい」と将来を描く。
地道な検証、修行の毎日
早稲田大学大学院の先進理工学研究科で、知的障害の原因細胞を研究しました。きっかけは、高校時代にiPS細胞(人工多能性幹細胞)が話題になったこと。これからはライフサイエンス分野が盛り上がるなと思って。
研究室仲間は医薬品や化粧品の研究職を目指す人が多かったです。大学院では研究に没頭する毎日だったので、いろんな人と関わり合う仕事がしたくて、メディアや放送分野で就職活動しました。
就活サイトに掲載されていたSTBの女性開発者に憧れて、JCOMに入社しました。今、STBへの機能追加時に不具合なく動作するかどうかの検証を担当しています。ケーブルテレビを長い時間視聴したり録画量が多かったりすると、STBの処理速度が遅くなってしまうことがあります。これに対応して内部の計算手法に手を加えたSTBが、どのくらい速度改善したか検証しました。改善版と従来版とで、ストップウオッチを片手にひたすら速度を測りましたね。検証作業はこういった地道な作業が中心です。STBの細かな仕様の勉強も欠かせません。修行の毎日です。将来は自分でSTBを開発することが夢。米国の先進的な技術研究の論文から情報を収集しています。
球場まで応援に駆けつけるほどプロ野球・広島東洋カープの大ファンです。
(文=大城蕗子、写真=編集委員・木本直行)
「ニュースイッチ」で拡大版 https://newswitch.jp
◇ジュピターテレコム 技術企画本部端末技術部
(2018/8/27 05:00)