[ オピニオン ]
(2019/7/22 05:00)
昼夜を問わずエアコンが活躍する季節となった。だが、風や音が気になり睡眠中にエアコンを控える人もいる。準大手ゼネコンのフジタはこうしたニーズに着目し、長府製作所と寝室に特化したパネルエアコンを開発した。
赤外線を利用する放射冷房システムだ。熱源は一般のヒートポンプ式だが、高い熱エネルギーをもつ空気をゆっくり放出する室内機に、熱エネルギーを赤外線に変換するパネルを組み合わせた。赤外線により室内の物体をムラなく冷暖房し、体の冷やしすぎや熱しずぎを防ぐ。
パネルには、独自開発した特殊繊維を編み込んだ布「サーモテックファイバー」を使用。軽量、高耐久性により水蒸気を適度に透過させながら放射冷暖房ができ、パネル表面に結露が発生しない。低速ファンで運転音は30デシベルA以下を実現した。
フジタは元々、患者の空調に関する苦情から病院向けに天井放射冷暖房システムを開発、3施設に導入した。今回の寝室専用エアコンの発想は、こうした経験が生かされた。
上質(リッチ)な眠りを提供する意味を込め「眠(ネム)リッチ」と命名し、マンションやホテル、住宅に提案を始めた。この風を吹かない寝室用パネルエアコン、市場に新風を吹き込めるか。
(2019/7/22 05:00)