[ オピニオン ]
(2019/9/3 05:00)
子どもたちがミニ四駆のシャシーに見立てた模型に紙粘土を盛り付ける。思い描くボディーの型ができれば、それを卓上の機械の台に置き、機械の天井にはプラスチックの薄板を設置する。
薄板をヒーターの熱で柔らかくし、天井を引き下げ模型に押しつける。薄板と模型の間の空気が吸引され、薄板は型通りに浮き上がる。お手製のミニ四駆ボディーの出来上がりだ。「面白すぎる」。薄板が一瞬で立体に変わる現象に歓声があがる。小さな仕掛けだが、真空成形を用いている。
アルミ加工を手がけるフジタ(富山県高岡市)が開いた子ども向けのワークショップにお邪魔した。毎夏に開くこの催しは今回で3回目になる。ほかに3Dプリンターで製作した材料でゴム鉄砲を組み立てたり、プレス機で切断した素材でキーホルダーを作ったり。18組の親子がモノづくりを体験した。
「毎年参加する親子もいる。口コミで徐々に広まっている」とフジタ社長の梶川貴子さん。地域の人々にモノづくりへの関心を喚起する取り組みは着実に浸透している。
夏休み、体験型イベントに参加した親子も多かろう。来年はモノづくりに挑戦してみてはどうか。子どもにモノを作る楽しさや感動を与えられるはずだ。
(2019/9/3 05:00)