[ オピニオン ]
(2019/9/4 05:00)
通勤にリュックサックを使うようになって10年以上になる。両手が自由になり、パソコンなど多くの荷物が収納できる点はありがたい。使い始めの頃は、かなり少数派であったように思う。
今ではリュックを背負うスタイルが、ビジネスマンに定着しているように見える。リュックが当たり前になってくると、今度は人混みで背中のリュックが人にぶつかるなど、マナーの問題がクローズアップされるようになった。
「いずい」―。宮城エリアの方言で、しっくりこない、落ち着きがない、居心地が悪い、違和感があるといったような状態を表現する際に用いられる。そんな、いずいが今年、仙台市地下鉄の車内放送で使われた。
「混雑時に乗車する際は、リュックを背負ったままだと周りの方がいずいです。乗車の際は背負わず、前に抱えたり、手に持ったりするようにしましょう」と、歌手で俳優の吉川晃司さんが車内放送で呼びかけた。
胸に抱えるスタイルを前提にしたリュックは商品化できないものだろうか。洋傘では閉じた時にぬれた面が内側に折り畳まれ、傘に触れてもぬれない「逆折り式」が出始めた。「混雑時でもいずくないスタイル」が、日用品開発のヒントになるかもしれない。
(2019/9/4 05:00)