(2019/9/13 05:00)
2020年に卒業する大学生の就職活動が後半戦に突入した。すでに大手企業の多くが内定を出している中、内定を得ていない学生の焦りが色濃くなる時期でもある。こうした学生向けに就活を支援するサービスも増えており、大手に比べ採用で苦戦する中小企業の利用が多い。中小が有望な人材を獲得するには社長自ら自社の魅力を学生に訴えかける熱意が肝要だ。
企業の人手不足が常態化する中で新卒人材に対する中小の期待は大きいが、約7割の学生が大手志向と言われる状況下で苦戦を強いられている。19年度版中小企業白書によると、就業者数299人以下の企業では大卒予定者の求人数が15年卒から5年連続で増加している一方、就職希望者は17年卒から減少している。その結果、求人倍率は18年卒の6・4倍から19年卒は9・9倍に大きく増加した。
企業と学生の間で、就労に関する意識に隔たりがあることも中小の採用難に拍車をかけているとみられる。企業は単に待遇などの条件を提示するだけでなく、「その会社で働くことで、自分にとって何を得ることができるのか」といったことを学生に提示することが必要だ。特に採用面で大手の後塵(こうじん)を拝することが多い中小は、社長が自らの夢やビジョンを語ることが求められる。
ユニークな菓子類やイベントを企画するESSPRIDE(エスプライド、東京都渋谷区)は、19年から全国の中小社長と学生をつなぐ取り組みを本格化している。4月には事前審査で選ばれた社長5人が約300人の大学生の前でプレゼンテーションを行い、一緒に働きたい社長ナンバーワンを選ぶイベントを開催した。7月から年末まで全国13カ所で計16回、社長と学生の交流の集いを行う予定。
参加した学生の一人は「学生にアプローチするには、社長が思いや事業の成果を明示してブランディングすることが重要」と話す。インターンシップ(就業体験)などで社長と学生が直接交流する機会を設けることも有効だろう。中小こそ採用で社長が先頭に立ってほしい。
(2019/9/13 05:00)
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