(2019/9/26 05:00)
プロ野球のペナントレースの覇者が出そろった。セ・リーグは読売ジャイアンツが5年ぶりに優勝。パ・リーグは埼玉西武ライオンズが2連覇を果たした。見どころはさまざまだったが、ソフトバンクとの8・5ゲーム差をひっくり返した西武の劇的な優勝が印象的だ。
菊池、浅村、炭谷ら主力選手の移籍で、シーズン前は不安が漂った。その穴を攻守とも埋めたのが、二塁手の外崎と正捕手の森。本塁打王争いをリードした山川に加え、後半は“おかわり君”こと中村が本塁打で快進撃を牽引(けんいん)した。若手、中堅、ベテランがうまくかみ合った圧倒的な打力。若手投手陣も経験を積んだ。
どんな世界でも、強い組織は後継者が育つ土壌を備えている。枯れ葉が落ちると新芽が芽吹くように後継者が躍動を始める。西武の連覇はそんな新陳代謝が機能した成果にみえる。
経営者が「余人をもって代えがたいシニアには活躍してもらいたい」などと言うと聞こえはいい。内実は「余人」を育ててこなかった企業が少なくないのでは。
辻監督は優勝インタビューで選手を称(たた)えつつも表情を緩めることはなかった。日本シリーズ進出を決めるクライマックスシリーズはセパとも10月5日から。本当の栄冠は、まだ先だ。
(2019/9/26 05:00)