(2019/9/30 05:00)
内閣府の「景気ウォッチャー調査」では毎月、全国約2000人が肌で感じた景況感を率直に回答する。「暑」や「台風」など旬のワードが織り込まれ読み応えがある。
8月調査の先行きの項目では「消費税」にまつわるコメントが686件あった。春先の月300件前後から月100件ペースで増え続けた。それでも「2014年の前回増税時より少ない」と担当官。目前になって、駆け込みがみられる。
回答によれば、都内の茶舗営業担当者は「増税前にたくさん買ってくれる品物ではない」と冷静。北海道の量販店経営者は「キャッシュレス・消費者還元を販促にいかし、売り上げアップを期待」と前向きだ。
ウォッチャー調査の生みの親は、2月に他界した元経済企画庁長官の堺屋太一さん。21年前の就任後「景気動向をもっと早期に把握できないか」との一声で始まった。
米中経済摩擦が長期化し、景気の腰折れが気になる中、10%への引き上げがあすに迫った。着任間もない西村康稔経済再生担当相は先週、各地を立て続けに視察。政府統計・分析のタイムラグを踏まえ「とれる日・週単位の数字はしっかりとって、現場の声をうかがいながら経済運営に万全を期したい」と力を込める。
(2019/9/30 05:00)