(2019/10/31 05:00)
知り合いの中小企業から50周年記念誌が届いた。タイトルは『山田製作所 半世紀のものがたり』。創業者、会長、社長の3人の視点による会社物語や、ベテランから若手まで全社員19人が率直に会社や仕事への思いを寄せている。
同社は大阪府大東市で製缶・板金業を営み、徹底した3S(整理・整頓・清掃)活動で一目置かれる存在になった。今では毎年約200社が工場見学に訪れるが、20年前は何の取りえもない会社だったという。
山田茂社長(現会長)が弟の山田雅之専務(現社長)と3Sのセミナーに参加し、変わるきっかけをつかんだ。整理のため工場の古い設備を捨てた時は、創業者の父親と大げんかになったこともある。
高さ9メートルの天井にペンキを塗るなど、40日をかけた「工場丸洗い」では社員の結束が強まった。3S活動は工場の現場をきれいにするだけではない。個々の社員が自主的に動き、互いに育て合う社風づくりに役立つ。3S活動を競える企業とも出会えた。
この3S活動を学ぶイベント「大阪3Sサミット」が11月30日、大東市で開かれる。今年が9回目で、山田製作所ら全国の3S推進企業7社が事例を発表する。中小企業同士、さらに学びの輪が広がるといい。
(2019/10/31 05:00)