(2019/11/5 05:00)
科学技術振興機構(JST)が女性研究者の活躍を推進する「輝く女性研究者賞(ジュン アシダ賞)」を創設、17日に東京都江東区の日本科学未来館で表彰式を開く。「JSTは優秀な女性研究者をサポートできていないのではないかと感じていた時、デザイナーの芦田淳氏(故人)に『女性研究者対象の賞をつくったらよいのでは』と提案され、芦田基金から賞金を提供していただくことになった」(濱口道成JST理事長)のがきっかけとなった。
第1回の受賞者は欧州分子生物学研究所(EMBL)バルセロナ・グループリーダーの戎家(えびすや)美紀さん。「戎家さんと非常に僅差だった」(濱口理事長)という京都大学高等研究院物質―細胞統合システム拠点教授の深澤愛子さんには「JST理事長賞」を贈る。また研究機関を対象とした「女性研究者活躍推進賞」は九州大学に決まった。
戎家さんは理化学研究所から昨年、EMBLに移り、自発的な細胞分化やパターン形成を人工的に作る研究を手がけて構成的発生生物学の分野で成果をあげたことが認められた。深澤さんは高強度な光照射下でも退色しない超耐光性蛍光色素や大気下でも安定な塗布型有機半導体への応用など機能性有機材料の創製における突出した研究実績をあげた。
九大は独自の「女性枠設定による教員採用・養成システム」を立ち上げ、この10年間に50人を採用した点を評価した。
文部科学省はダイバーシティ研究環境実現イニシアチブの公募など、女性研究者の研究環境整備の取り組みを進めている。だが日本の研究者に占める女性の割合は昨年3月時点で16・2%と、他の先進諸国と比べると低レベルにとどまる。研究開発プログラムなどへの女性の参加も少ないのが実情だ。
出産、子育て、介護などとの両立の難しさもあろうが、JSTの新たな賞が若手の刺激となり、女性研究者が増えることを期待したい。17日の表彰式では、受賞者と次世代を担う一般参加の高校生らによるトークセッションも計画している。
(2019/11/5 05:00)
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