産業春秋/ヤフーとLINEの統合効果

(2019/11/19 05:00)

ネット事業大手のヤフーとLINEが18日、経営統合を発表した。双方の親会社であるソフトバンクグループ(SBG)と韓国ネイバーグループが折半出資する持ち株会社の傘下に両事業を移管。LINEは上場廃止する。

ヤフーにとっては先に4000億円を投じて買収した通信販売大手のZOZOに次ぐ事業再編だ。顧客基盤を広げ、電子商取引や金融事業などネット関連事業の覇権を握る狙いがある。

ヤフーはポータル事業の成功をはじめ国内のネット関連事業で先行した。しかし現在の利用者はパソコンをメーンに使う中高年層に偏り、スマートフォン関連サービスで出遅れた。基幹事業のネットオークションも、後発の台頭を許しており、巻き返しを模索していた。

ヤフー、LINEとも、既存事業だけでは、グーグルやフェイスブック、テンセントなどの世界のメガプラットフォーマーとの戦いには勝てないと考え、統合による新たな相乗効果に期待した。

若者中心の個人間の対話サービスに強みを持つLINEと、ヤフーによるネット事業連合。日本市場ではトップの顧客基盤を握るが、アジアや世界でどこまで市場を拡大できるか。統合を審査する公正取引委員会もそこを注目している。

(2019/11/19 05:00)

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