(2019/11/20 05:00)
産業界の労働力不足が懸念される。デスクワークではパソコン操作をソフトウエアのロボットが代行するRPA(ソフトウエアロボットによる業務自動化)など、ICT(情報通信技術)の活用が進んでいる。
多くの人手を必要とする土木・建設業界も例外ではない。建設機械メーカー各社は労働力不足を解決するため、さまざまな企業と連携し、ICTの活用に本腰を入れている。
元々、建機の稼働管理や遠隔操作などを目的にICTの活用を進めてきた。だが一気にその機運を高めたのは、2015年に国土交通省が提唱した「アイ・コンストラクション」である。
測量、設計、施工、検査、維持管理といった工事現場の全てのプロセスをICT化するという取り組み。これを支援するサービスも続々と登場している。また今後は、既存の建機を安価でICT対応機にできるキットなども提供される予定だ。
建設現場の労働力不足は単純な人口減少だけではない。労働環境が過酷というイメージから若者に敬遠され、人材確保が難しいという側面もある。ある建機メーカー役員は「現場作業をICT化することで、クールな職場と感じてもらえたら」と話す。その効果が出るかにも期待したい。
(2019/11/20 05:00)