(2019/11/20 05:00)
日本と韓国の軍事情報包括保護協定(GSOMIA)は、23日に失効する可能性が高まってきた。日本と米国が強く延長を迫ったものの、韓国の文在寅大統領の意思を覆すことはできそうにない。
日米韓の安全保障の共助に緩みが生じることは、東アジアの平和と安定にマイナスとなる。すぐに変化が生じないとしても、中長期的な悪影響を覚悟しなければならない。韓国に対して強硬姿勢を示す米国の今後の対応も気がかりだ。
日韓両国の産業界は、経済・産業協力関係の拡大・深化で一致している。経団連は15日、2年ぶりとなる韓国財界との首脳懇談会を東京で開き、「いかなる政治・外交関係下においても民間交流を継続する」との共同声明を決議した。
韓国側の徴用工判決への対応や、日本の貿易管理の厳格化など産業界に関係する問題は残ったままだ。しかし問題が複雑になればなるほど、それを解決するには、個々の問題を切り離して取り組むことが重要になる。
その意味で、韓国側が日本の貿易管理の撤回をGSOMIA延長と結びつけようとする強引な姿勢には同意できない。貿易管理の的確な運用は日本政府の責任だ。仮に韓国が徴用工判決による国際法違反の状態を解消したとしても、改める性質のものではない。
すでに韓国も日本に対して貿易管理上の対抗措置を発動しており、同時に世界貿易機関(WTO)への提訴で判断を求めている。安全保障政策と結びつける意味がない。
米国の度重なる説得にも耳を貸さない文大統領のかたくなな姿勢を危惧する声は、韓国国内でも高まっている。GSOMIA破棄が韓国の国益をどれだけ損なうのかを冷静に検討するべきだ。
残念ながら日韓関係の底は、まだ見えていない。徴用工判決の結果、資産を押さえられた日本企業に実害が及べば、日本政府は対抗措置を取らざるを得ない。破たんを回避するボールは韓国側にある。文政権の賢明な判断を望む。
(2019/11/20 05:00)
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