(2019/12/13 05:00)
景気の先行きへの懸念が強まっている。有力な先行指標である内閣府の機械受注統計は9月に前月比18・7%減と大幅に悪化。12日発表した10月は同5・2%増と持ち直したものの、力強さは今ひとつだ。
日本製鉄会長で経団連副会長の進藤孝生さんは「今夏以降、急激に悪くなったことを実感する。消費増税前の駆け込みや、その反動など別の要素もあるだろうが、少なくとも『来夏の五輪までは大丈夫』という楽観論は通じなくなった」と警鐘を鳴らす。
日立製作所会長で経団連会長の中西宏明さんの見立ては、大いに異なる。「個々の企業で違いはあるだろう。しかし日立の受注状況は悪くないよ。米中関係の不安要素はあるし、実際に中国向けは落ちているが、それがすべてじゃない」とニッコリ。
経団連事務局幹部は「懸念されるほど悪化してはいない、というのが経営者の全体的な見方じゃないかなぁ」と首をかしげる。これに対し「経団連が率先して悲観論を言うわけにはいかないだろうけど、良くない分野も出てきたよ」と打ち明ける大企業の経営者も。
足元の景況判断の最重要指標である日銀短観はきょう発表。「景気は気から」と思いつつ、やはり統計数字が気になって仕方がない。
(2019/12/13 05:00)