(2019/12/18 05:00)
この1年の出来事を漢字四文字で表す「創作四字熟語」は、新語・流行語大賞、今年の漢字と並んでこの時期の風物詩になって久しい。30周年の今年、過去の秀作を振り返ってみる。
第1回は1990年。前年のベルリンの壁崩壊を受けて東西ドイツが統一したのを「異旗統合」で表現した。翌年にはソビエト連邦が崩壊し、メディアをにぎわせた「紙面ソ禍」。
第10回の99年は携帯電話・PHSの加入台数が5000万台を突破。世の中に携帯電話の着信音があふれる「着歌繚乱」が社会問題化した。この年は失業率が過去最悪を記録し「無職当面」の人が増加した。
08年は米国の証券会社リーマン・ブラザーズが経営破たんする「兄弟減価」が、世界経済低迷の引き金に。第20回の2009年は衆院選で民主党が勝利し、政権交代が実現した。国民一人ひとりの投票が「一票両断」につながった。
30周年の今年は、ラグビー・ワールドカップの『ONE TEAM』を示した「一心桜体」やコンビニ深夜営業問題から「深夜閉業」など、時代を映した文字が選出された。そのなかで最優秀作は「国祭令和」。日本中が改元で祝賀ムードに包まれたが、世界は対立に向かっていることをうまく盛り込んだ。
(2019/12/18 05:00)