(2019/12/20 05:00)
自動車は100年に一度とも言われる変革期。未来のクルマが今より“わくわく”する存在になると予感させるのは、私見ながら電気自動車(EV)メーカーの米テスラだ。
米ビッグスリーのドル箱であるピックアップトラック市場へ、惑星探査車を思わせる斬新なデザインのEVで参入した。既存ガソリン車に近い環境規制対応のEVに比べて、インパクトは強烈だ。競合の米フォードも対抗心を示す。
テスラのイーロン・マスク最高経営責任者(CEO)は、新車発表から5日間で予約が25万台に達したことをツイッターで示唆した。作業用途など保守的ユーザーが多いピックアップトラック市場へのファーストコンタクトは成功したようだ。
自動車メーカー首脳はCASE(コネクテッド、自動運転、シェアリング、電動化)をベースに戦略を語る。それが利便性につながることは間違いない。ただ内外とも似通っていて必ずしも個性的には映らない。
「すべてのクルマをEVに」という信念と、消費者を惹きつける“未来感”がテスラの武器。対する既存メーカーは、どんな個性で立ち向かうのか。従来のブランド力に頼るだけでは、クルマという日本の基幹産業もいずれ壁に直面するだろう。
(2019/12/20 05:00)